僕が公認会計士を目指したのは
大学3年生の終わり頃でした。
僕は3人兄弟の長男で
父が会社を経営していたので
幼い頃はなんとなく
父の会社を継ぐのかな…
と思っていました。
しかし、高校生になると
父への対抗心から
父の会社を継ぐのは嫌だ!
と思うようになりました。
とはいえ、
何かやりたいことが
あるわけでもない。
大学に入学してからは
アルバイトばかりしていました。
就職活動を始める時期になり
自分の進路について悩みました。
考えることを先送りにし
何も考えてこなかったんです。
僕は独立して商売を始めた父を意識して
いつか自分も独立したいと考え、
そのために資格があったら有利だろう
くらいの気持ちで公認会計士を目指しました。
会計士試験に合格するのに5年かかりました。
バカな話ですが、専門学校に行くお金も
受験浪人ができたのもすべて父のおかげです。
社会人になってようやく
父の偉大さが分かりました。
会計士試験に合格してすぐ
東京に行きました。
5年も鬱屈した受験生活を送っていた
京都を離れたかったんです。
僕が合格した年は
会計士が不足している時で
望むままに好きな監査法人に
入ることができました。
朝日監査法人(現在のあずさ監査法人)に
入所することを決め、
東京暮らしが始まりました。
高層ビルに綺麗なオフィス。
自分が勤める法人もクライアントの会社も
そんな環境でした。
クライアントは日経新聞に社名が出るような
大きな会社ばかり。
業績が悪い時でも
資金繰りに困るような会社は
ありませんでした。
会計監査が主な仕事でしたから
クライアント企業の経営について
深く考えることはありませんでした。
あずさからトーマツに転職しましたが
そこでも状況は同じ。
約10年の監査法人勤務を経て
地元である京都に2008年に戻りました。
2008年はリーマンショックが起きた年です。
世の中がだんだん不況になっていきました。
不況になると企業の実力差がモロに出ます。
体力がなく、勘と経験と度胸だけで
経営している中小零細企業は
軒並み赤字になりました。
支払ができない。
資金繰りが回らない。
そんな中小零細企業が続出しました。
中小企業金融円滑化法が成立し、
僕たち会計士にとっては
中小企業の事業再生という
新たな業務が出現しました。
京都に戻った僕は
地元の小さな監査法人に所属しながら
この事業再生業務を経験しました。
そこで中小零細企業の
厳しい現実を目の当たりにしたんです。
最初にその会社に行ったのは
ある年の12月の終わり頃でした。
僕は知らなかったんですが
業界では有名な社長さんで
小柄だけど勢いと迫力を感じました。
よろしゅうたのんます。
社長さんが頭を下げられ
お付き合いが始まりました。
社長さんはとてもアイデア豊富で
行動力もある人だったので
それぞれ関連はあるんだけど
いろんな事業を広域に展開していました。
しかし、
事業別の損益管理がされておらず
何が黒字で、何が赤字なのか
把握ができない状態でした。
会社全体としては大赤字。
支払をずいぶん遅らせているにもかかわらず
まったくお金は足りてませんでした。
すでに年間売上を超える借入金があり
返済ができる状況ではないので
全金融機関への返済を止めました。
一番多く借りていた信用金庫からは
かなり問題児扱いされており、
早く納得できる再生計画を提出するように!
と強く言われていました。
しかし、
計画を作ろうにも現状把握ができないし
社内に情報があったり無かったり、
情報があっても整理・データ化されたおらず
何が正しいのかさえ分かりませんでした。
日は過ぎていく。
お金は足りない。
社長も誰も
何をどうしていいか分からない。
金融機関は怒り心頭で
社長を責め立てました。
社長はやられっ放しで
ボコボコのサンドバッグでした。
経営を知らない会計士
ボコボコのサンドバッグにされている社長を
横目で見ながら僕は何もできませんでした。
金融機関が望んでいること、
そして、社長も望んでいること。
それは経営改善策。
しかし、僕にはどうしたら
この会社の経営が改善するのか
知識も知恵もなかったんです。
会計士は経営を知らない。
会計士だけでなく税理士も含め
世の会計人は経営を知りません。
我々、会計人は結果数字を見るプロです。
税理士は結果数字から税金計算をし、
会計士は結果数字に虚偽がないかを
確認するプロなんです。
どうすれば、数字が良くなるのか?
それは知らないんです。
目の前で苦しんでいる人を
助けられない歯がゆさ、情けなさ。
オレは先生と呼ばれ
報酬もいただいているのに
いったい何なんだ!?
本当に役に立つ仕事がしたい。
困っている中小零細企業を助けたい。
経営を知らなければ!
新しい会計人のスタイルを
目指そうと思ったキッカケでした。
MGとの出会い
経営を知ろうと勉強しました。
最初に勉強したのは
ランチェスター法則でした。
ランチェスター法則は弱者の戦略が
有名ですよね。
資本力や経営資源が少ない
中小零細企業が勝ち残っていくには
どのように戦えばいいのか?
ランチェスター法則は中小零細企業が
戦略を理解することはできたのですが
それはあくまで知識。
経営をしたことがない僕は
相変わらず経営が分かりませんでした。
ランチェスター法則のことなら
的確に教えてくれるコンサルタントが
たくさんいます。
僕じゃなくてもいいだろう。
そんな気持ちもありました。
そう感じながら彷徨っている時に
出会ったのがMG(MQ戦略ゲーム)でした。
MGの開発者は西順一郎先生です。
詳細はMG(MQ戦略ゲーム)とは?
をご参照ください。
MGは会社経営ゲームです。
自己資本をどこまで伸ばせるか?を競います。
本物の会社を経営するわけではありませんが
会社経営をゲームで疑似体験できます。
経営の本質が伝わるように
余分な部分は削ぎ落されています。
ゲームだからこそできることです。
また、MGは
会計情報を大事にします。
なぜなら会計情報を使えば
未来の利益をどう創り出すか?
を勘や経験ではなく、科学的・数学的に
考えることができる有益な情報だからです。
MGをすることで
経営の全体像、本質が分かる。
会計情報の素晴らしさを
伝えることができる。
公認会計士という
バックボーンを持つ僕が
最大限に力を
発揮することができ
中小零細企業の
役に立つことができる!
MGを通じて経営や会計を学びたい、
すぐれた経営者・良い会社を
目指したいと思う方々と
共に学び合える場として
京都でコッカラMGを主催しています。